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ビジネスとしての規模を考える
通常、会社が新規事業に参入しようとする場合、その事業の市場規模を推計します。
ここでは自分が考えたビジネスのアイデアが、どのくらいの規模まで成長しうるのか、お金の観点から考えてみます。
例として、DAY2で落としたアイデアですが「自分で作成したペーパークラフトをメルカリで販売する」というアイデアについて考えてみたいと思います。
私は自分の結婚式用に作成したペーパークラフトが友人に好評だったので、メルカリで販売していたことがあります。家庭用プリンターで印刷したものでそこまでクオリティの高いものではありませんでしたが、データを整え直し、プロの印刷業者に作成してもらってきちんと販売したら副業になるのではないかと考えたのです。
STEP1 : 市場規模を考える
厚生労働省「人口動態統計」によると日本の年間の婚姻数は59万件 (2018年) です。このうちの7割程度がなんらかの形で挙式すると仮定して、年間40万件の結婚式が行われることになります。
結婚式を挙げる人の100人に1人が自分の販売するペーパークラフトを目にしてくれる (認知) 、さらに100人に1人が購入してくれる (購入) とすると、年間40人の人が自分の商品を購入してくれることになります。認知や購入の割合を頑張って上げたとしても年間100人くらいがいいところではないかという結論になりました。
STEP2 : 利益を考える
自作していたペーパークラフトを印刷業者できちんと作成した場合のコストを知るために、印刷業者のホームページで見積もりをとってみました。すると1枚作製するために必要なコストは200円程度であることが分かりました。
一方でminneなどで似たような商品を販売している作家さんについて調べてみると、自分が作成していた商品はおおよそ800~1,000円程度で販売されていることが分かりました。
よって1枚販売した場合の利益は超ざっくりですが以下のようなイメージになりそうです。
売上 | 800円 |
---|---|
プラットフォーム手数料 (10%) | -80円 |
送料 | -120円 |
粗利益 | 600円 |
STEP1で考えた限りでは、年間の売上は頑張って100件程度。
つまりこのペーパークラフトの販売を頑張っても年間6万円程度しか利益がでないことが分かりました。
このように考えると、このペーパークラフトを販売するというビジネスは、よほどの価値ある経験値を積むことができる、一度仕組みを作ってしまえば自動で回すことができる、などの他のメリットがない限りは、限られた時間を投入しても得られるリターンは少ないのでやらない方がよさそう、と判断できます。
あったらいいな、というサービスはたくさん思いつきますが、こんな風にざっくりでも計算してみるとビジネスとして確立させるのは難しいものが多いと思います。
もちろんこれらは机上の空論なので、すごく熱意があって「100人みたら50人が買いたいと思える商品を自分なら作れる!」と思う場合や、より高単価な商品をつくることができる!と思う場合はチャレンジしてみるもの十分価値があると思います。